2026年女性活躍推進法改正で何が変わる?対象企業などを解説

2026年女性活躍推進法改正で何が変わる?対象企業などを解説

2026年4月1日、女性活躍推進法の改正が施行され、従業員101人以上の企業では男女間賃金差異と女性管理職比率の公表義務が課されました。

「自社は対象になるのか」「何をいつまでに準備すればいいのか」と頭を抱えている人事・労務担当者も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、2026年改正の対象企業・義務内容・算出方法から、具体的な対応手順までを詳しく解説します。

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目次

2026年女性活躍推進法改正の最新情報

2026年4月1日の改正では、企業規模に応じて情報公表の義務内容が見直されました。

公表期限は2026年6月30日ですが、「まだ準備期間がある」と後回しにしていると、気づいたときには対応が間に合わなくなります。改正への対応は、社内データの集計から公表内容の整備、一般事業主行動計画の見直しまで、段階的に進めていく必要があります。

従業員101人以上の企業で情報公表の義務が広がる

今回の改正では、これまでよりも小規模な企業にも情報公表の範囲が広がりました。
これまで「1項目以上の公表」で対応できていた企業も、改正後は男女間賃金差異・女性管理職比率に加えて、さらに1項目以上の公表が必要になります。

そのため、公表に向けた社内データの集計や準備は、早めに着手しておきましょう。

男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が必須になる

2026年の女性活躍推進法改正により、男女間賃金差異は「全労働者・正規雇用労働者・非正規雇用労働者」の3区分での公表が義務付けられました。

女性管理職比率についても、公表対象や算出時点を誤ると数値がずれるため、事前に社内ルールを確認しておく必要があります。

女性の健康支援に関する取り組みも重視される

2026年の女性活躍推進法改正では、女性の健康上の特性への配慮が盛り込まれました。なぜなら、採用・昇進・賃金差異の改善だけでは、真の女性活躍推進とはいえないからです。

以下のような取り組みを職場全体で進めることが問われています。

  • 月経・更年期・不妊治療・妊娠・出産への相談体制の整備
  • 休暇制度の整備
  • 管理職の理解促進

女性活躍推進法とは何か

女性活躍推進法は、働く場面で女性が能力を発揮しやすい環境整備を企業に促す法律です。

女性優遇ではなく、採用・配置・昇進・継続就業といった課題を客観的なデータで把握し、行動計画の策定や情報公表を通して改善を進める仕組みです。法律の目的や企業に課される義務の全体像を、以下で順に確認していきましょう。

女性活躍推進法の目的

女性活躍推進法の目的は、採用・配置・昇進・継続就業などあらゆる場面で女性が不利にならず、能力を発揮できる職場環境をつくることです。

少子高齢化による労働力不足が深刻化するなか、女性の活躍推進は社会全体の課題でもあります。企業には行動計画の策定や情報公表を通して、自社の課題を数値で見える化し、継続的な改善につなげる姿勢が問われています。

企業に求められる一般事業主行動計画の策定・届出・公表

従業員101人以上の企業は、状況を把握・分析したうえで、一般事業主行動計画の策定・届出・公表が義務付けられています。

数値目標を設定するだけでなく、採用・継続就業・管理職登用といった課題ごとに具体的な改善施策を落とし込み、実行までつなげることが重要です。一般事業主行動計画では、自社の課題に応じた数値目標や取組内容を定め、女性活躍を継続的に進めるための方針を明確にします。

女性活躍に関する情報公表の基本

女性活躍に関する情報公表は、求職者や従業員が企業の実態を判断するための重要な情報です。公表する情報は、求職者や従業員が確認しやすい形で掲載し、更新時期や対象期間もわかるようにしておくことが大切です。

数値を出すだけでなく、要因分析や補足情報も添えて公表することが、女性活躍推進法の趣旨に沿った対応といえるでしょう。

2026年改正で対象となる企業と義務内容

2026年の女性活躍推進法改正では、企業規模ごとに対応すべき義務内容が異なります。自社が何人規模に該当するかによって、準備すべき内容は大きく変わるため、まず対象範囲を正確に把握しておきましょう。

101人以上300人以下の企業に求められる対応

従業員101人以上300人以下の企業は、2026年4月1日以降、男女間賃金差異と女性管理職比率を含む3項目以上の情報公表が義務となりました。これまで最低限の1項目公表で対応してきた企業にとっては、対応範囲が大幅に広がると考えておくべきでしょう。

賃金台帳の整備や役職区分の確認はもちろん、数値の要因分析や改善施策の検討まで、事前に確認しておくと、集計ミスや公表内容の不足を防げます。

301人以上の企業に追加される対応

従業員301人以上の企業は、2026年4月1日以降、これまで必須だった男女間賃金差異に加え、女性管理職比率の公表も義務となりました。

既存の公表体制があるからといって、そのまま対応できるとは限りません。管理職の定義や集計ルールを改めて社内で確認し、正確に公表できる体制を整えておきましょう。公表内容の質を高める意識が、企業イメージの向上にも直結します。

100人以下の企業が確認しておきたい努力義務

従業員100人以下の企業は、一般事業主行動計画の策定や情報公表は努力義務の範囲にとどまります。ただし、義務対象外だからといって対応を先送りにするのは得策ではありません。

採用力や定着率の向上を目指すうえで、女性活躍の状況把握や課題分析を早めに進めることは大きな価値があります。従業員数が101人を超えた時点で義務が発生するため、規模拡大を見据えた準備を今から始めておくと、いざという場面で慌てずに済むでしょう。

男女間賃金差異と女性管理職比率の算出・公表方法

改正された女性活躍推進法への対応で、多くの担当者が戸惑うのが数値の算出方法と公表内容の整理です。何をどう計算し、どのような形で公表すればよいのか、以下で順に確認していきましょう。

男女間賃金差異で公表する内容

男女間賃金差異は、男性労働者の平均賃金に対する女性労働者の平均賃金の割合をパーセントで表します。

以下の3区分での公表が義務付けられています。

  • 全労働者
  • 正規雇用労働者
  • 非正規雇用労働者

計算対象は基本給だけでなく、賞与・各種手当を含めた賃金総額です。ただし、通勤手当など一部は除外される場合があります。区分の取り違えや集計漏れがあると数値の信頼性が損なわれるため、対象期間や雇用区分の定義を社内で事前に確認しておきましょう。

女性管理職比率で公表する内容

女性管理職比率は、管理職全体に占める女性労働者の割合を公表する項目です。係長や主任、課長代理・課長補佐は原則として管理職に含まれないため、誤って算入すると実態と異なる数値になってしまいます。

対象者の範囲と算出時点を社内で明確にしたうえで、正確な数値を公表するようにしましょう。

数値の差が大きい場合に必要な要因分析

男女間賃金差異や女性管理職比率に差がある場合は、背景を説明せずに公表すると、企業イメージが損なわれるリスクがあります。実際、勤続年数の違いや雇用区分の構成比、職種の偏り、管理職候補者の母数不足など、さまざまな背景が数値に影響していることも少なくありません。

公表時には数値だけでなく、要因分析の結果や改善に向けた施策を補足説明として添えることで、企業の姿勢を正確に伝えられます。数値の大小だけで評価されないよう、説明欄を積極的に活用しましょう。

女性活躍推進法の改正に人事担当者が今すぐ取り組むべきこと

2026年の女性活躍推進法改正への対応は、「何となくわかった」で止めておくと対応漏れが生じます。義務内容の確認からデータ集計、公表、改善施策の検討まで、やるべきことを順番に整理して進めていきましょう。

①自社が義務対象に該当するか確認する

まずは、自社が女性活躍推進法の義務対象に該当するかどうかの確認です。判断基準となるのは、常時雇用する労働者数であり、パートタイムや契約社員も含めてカウントします。正社員だけで数えて義務対象外と判断してしまうケースは少なくないため、雇用形態を問わず全員を対象に人数を確認しましょう。

従業員規模ごとの義務範囲は以下のとおりです。

従業員規模行動計画の策定情報公表
100人以下努力義務努力義務
101人以上300人以下義務義務(3項目以上)
301人以上義務義務(3項目以上)

自社の規模を正確に把握することが、改正への対応を正しく進めるうえで大切です。

②公表に必要な人事データを集める

男女間賃金差異や女性管理職比率を正確に算出するには、賃金台帳・雇用区分・役職・勤続年数・労働時間といった複数の人事データが必要です。部署ごとにデータの管理方法が異なる企業では、集計ミスや確認漏れが起きやすいため注意が必要です。

どのデータをどこから取得するかを事前に洗い出し、集計ルールを統一したうえで作業を進めることで、数値の精度が上がります。公表に間に合わなくなる前に、早めに社内のデータ管理状況を棚卸ししておきましょう。

③算出方法と集計ルールを社内でそろえる

男女間賃金差異や女性管理職比率の算出は、担当者ごとに対象期間・賃金範囲・雇用区分・管理職の定義が異なると数値がぶれてしまいます。公表後に「計算の根拠が説明できない」という事態を避けるためにも、給与担当・人事担当・経営層が同じ集計ルールを共有しておくことが大切です。

算出根拠は社内ドキュメントとして記録に残し、翌年以降も同じ方法で比較できる状態を整えておきましょう。ルールの統一は一度行えば毎年の作業効率も上がるため、早めに取り組む価値があります。

④一般事業主行動計画を見直す

既存の一般事業主行動計画がある企業でも、2026年改正後の公表項目と自社の課題がずれていれば、計画の見直しが必要です。男女間賃金差異や女性管理職比率を新たに集計すると、これまで見えていなかった課題が浮かび上がることもあるでしょう。

行動計画には、計画期間・数値目標・取組内容・実施時期などを盛り込み、労働局への届出や社内外への公表まで対応します。計画は策定して終わりではなく、定期的な進捗確認と改善を繰り返すことで、女性活躍推進法の趣旨に沿った取り組みが実現できます。

⑤女性の活躍推進企業データベースなどで公表する

算出した男女間賃金差異や女性管理職比率は、求職者や従業員が確認しやすい場所で公表することが大切です。厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」への掲載が最も適切とされており、自社サイトとの併用も有効です。

掲載場所がわかりにくかったり、数値だけで背景説明がなかったりすると、企業の姿勢が正しく伝わりません。要因分析の結果や改善施策を補足情報として添えることで、数値の意味を伝えられるでしょう。

⑥えるぼし認定や改善施策の検討につなげる

男女間賃金差異や女性管理職比率の公表は、法令対応を済ませて終わりではありません。公表した数値を起点に、採用力・定着率の向上につながる改善施策の検討へと進めることが重要です。

数値が低い項目を放置すると、求職者や取引先からの企業イメージに影響するリスクもあります。課題が明確になった企業は、えるぼし認定の取得も視野に入れましょう。

えるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する取り組みが優良と認められた企業に厚生労働大臣が付与する認定制度です。

えるぼし認定の評価基準は以下の5項目で、満たした数に応じて1〜3段階の認定が受けられます。

  • 採用
  • 継続就業
  • 労働時間等の働き方
  • 管理職比率
  • 多様なキャリアコース

認定マークの取得は、優秀な人材の確保や企業ブランドの向上にもつながるでしょう。

まとめ

2026年4月1日の女性活躍推進法改正施行により、従業員101人以上の企業で公表義務が大幅に拡大されました。対象企業は、規模確認から人事データの集計、算出ルールの統一、行動計画の見直し、公表対応まで段階的に準備が必要です。

「どこから手をつければいいかわからない」という場合も、専門家のサポートを得ながら進めれば安心です。就業規則の整備から人事制度の設計、女性活躍推進の取り組みまで、貴社の状況に合わせた対応が可能です。人事・労務のお悩みは、ビズアップの人事コンサルへお気軽にご相談ください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、官公庁の最新情報を参照のうえ、専門家にご相談ください。

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