D-U-N-S® Number(DUNS番号)とは?企業識別番号の基礎から調査・活用方法までわかりやすく解説

D-U-N-S® Number(DUNS番号)とは?企業識別番号の基礎から調査・活用方法までわかりやすく解説

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企業がクラウドサービスや海外ベンダーを利用する際、「D-U-N-S® Number(DUNS番号)」の入力を求められた経験がある方は多いのではないでしょうか。DUNS番号は近年、Apple Developer Program、AWS、Microsoft、Google Workspace などのグローバル企業の各種申請・登録手続きで必須となるケースが急増しています。

一方で、総務・情報システム・管理部門の担当者の方で、

「そもそもDUNS番号とは何?」
「法人番号と何が違うの?」
「自社のDUNS番号はどこで調べられる?」
「取得しないと何ができなくなるの?」

といった疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。

そこで、本記事ではD-U-N-S® Number(DUNS番号)の注意点までわかりやすく解説していきます。

目次

D-U-N-S® Number(DUNS番号)とは?

D-U-N-S® Number(Data Universal Numbering System)とは、企業や組織を一意に識別するための9桁の企業識別番号です。この番号は、米国の信用調査会社であるDun & Bradstreet(ダン・アンド・ブラッドストリート)によって管理・付与されています。

DUNS番号の基本的な特徴

項目内容
桁数9桁の数字
管理主体Dun & Bradstreet
対象法人・団体・事業所単位
利用範囲世界共通(グローバル)
目的企業の一意識別・信用管理

DUNS番号は、世界中で「この企業はどの企業か」を判別するための共通IDとして利用されています。

法人番号(13桁)との違い

日本企業の場合、「法人番号」と混同されることが多いため、ここで両者の違いを整理しておきましょう。

比較項目DUNS番号法人番号
管理主体民間(D&B)国税庁
桁数9桁13桁
利用範囲世界共通日本国内のみ
主な用途海外取引・クラウド申請・信用調査税務・行政手続
事業所単位原則あり原則なし(法人単位)

主なポイントとして、国内手続は法人番号、海外・グローバルサービスはDUNS番号という役割分担になっています。

DUNS番号の重要性について

では、なぜここまでDUNS番号の重要性が高まっているのでしょうか。以下に詳しく解説していきます。

グローバル企業による企業確認の標準化

世界的なIT企業やプラットフォーマーは、国ごとに異なる法人制度を個別に確認することができません。そこで、「世界共通で企業を識別できる番号」=DUNS番号が事実上の標準として使われるようになりました。

不正利用・なりすまし防止対策

クラウドサービスやAPI利用では、

  • 架空法人による登録
  • 個人のなりすまし
  • 制裁対象国・企業の排除

といったリスクへの対処が不可欠です。

DUNS番号を用いることで、第三者機関による企業実在性・属性確認が可能となり、これらのリスクを管理することができるのです。

ESG・コンプライアンス強化

近年は、

  • 反社会的勢力排除
  • マネーロンダリング対策
  • サプライチェーン管理

といった観点から、企業データの透明性・トレーサビリティが重視されています。DUNS番号は、その基盤データとしても活用されています。

汎用性の高さ

以下の表は、国際的に利用される主要な企業・組織識別IDを、用途・汎用性・信頼度の観点から比較したものです。

名称管理組織主な用途汎用性信頼度DUNSとの関係性
D-U-N-S® NumberDun & Bradstreetクラウド申請、海外取引、企業確認◎(世界標準)
LEI(Legal Entity Identifier)Global Legal Entity Identifier Foundation金融取引、規制対応○(金融分野限定)◎◎金融分野ではDUNS以上
VAT番号(EU)EU各国税務当局EU域内B2B取引△(EU限定)◎◎EU内ではDUNSより優先
法人番号(日本)国税庁国内行政・税務×(国内限定)◎◎(国内)国際汎用性なし
EIN(米国)IRS(米国税庁)米国税務×(米国限定)◎◎(米国)国際汎用性なし
GS1 GLNGS1物流・拠点管理○(物流限定)用途が異なる

DUNS番号は、ITサービス登録や海外取引など幅広い実務で使われる“事実上の世界標準”で、取得・維持の負担が小さい点が強みです。LEIは金融・規制分野で最も厳格かつ信頼性が高い一方、日常的な企業実務では限定的です。VAT番号や各国の法人番号は地域・制度に特化して高い信頼性を持ちますが、越境利用には不向きです。

用途に応じて最適なIDを使い分けることが重要ですが、表から見て取れるように、汎用性重視ならDUNS番号をまず取得するべきといえるでしょう。

DUNS番号が必要になる主な場面

ここでは、DUNS番号が「実際にどんな場面で求められるのか」について、具体的に解説していきます。

DUNS番号は一部の大企業だけのものではなく、ITサービスの利用や海外取引を行う一般企業にとっても、実務上避けて通れない識別番号になりつつあります。「求められてから慌てる」のではなく、どの場面で必要になるのかをあらかじめ理解しておくことが、スムーズな業務対応につながるでしょう。

IT・クラウドサービスの登録

DUNS番号が最も頻繁に登場するのが、IT・クラウドサービスを法人として利用する場面です。

代表的な例としては、

  • Apple Developer Program
  • Microsoft(Azure / Microsoft 365)
  • Amazon Web Services
  • Google(Google Workspace / 各種API)

などが挙げられます。

これらのサービスでは、法人名義での本登録や本番利用に進む段階で、DUNS番号の入力を求められることが一般的です。「アカウントは作れたのに、途中から先に進めない」「法人確認で止まってしまった」という場合、その原因がDUNS番号未取得であることも少なくありません。

グローバル企業にとっては、日本の法人番号や登記簿謄本を個別に確認するのが現実的ではありません。そのため、世界共通で企業を識別できるDUNS番号を“法人であることの証明”として利用しているのです。

海外取引・グローバル契約

次に多いのが、海外企業との取引や契約を行う場面です。

具体的には、

  • 海外ベンダーとの直接契約
  • SaaSサービスの本社(海外)との契約
  • グローバルアカウントの開設

といったケースが該当します。

国内企業同士の取引ではあまり意識しませんが、海外企業から見ると「この会社は本当に実在するのか」「どの法人と契約するのか」を確認する必要があります。その際、DUNS番号があることで、第三者機関によって確認された企業情報として扱われるため、契約手続きがスムーズに進みやすくなります。

特に、英文契約やオンライン契約では、書類提出を省略する代わりにDUNS番号の提示を求められるケースもあり、グローバル取引における“共通言語”のような役割を果たしています。

補助金・国際認証・ESG評価

やや専門的になりますが、補助金や国際認証、ESG関連の評価でもDUNS番号が使われることがあります。

例えば、

  • 海外向け補助金・助成金の申請
  • ISOなどの国際認証の取得
  • サステナビリティやESG評価への対応

といった場面です。

これらは国や評価機関が異なっても、企業情報を横断的に管理・照合する必要がある分野です。そのため、DUNS番号のような国際的に通用する識別番号が、企業IDとして利用されることがあります。

今後、ESGやサプライチェーン管理の重要性が高まるにつれ、「知らないうちにDUNS番号が前提条件になっている」ケースはさらに増えていくと考えられます。

DUNS番号の取得方法

ここでは、DUNS番号の取得方法について具体的に解説していきます。

取得の基本的な流れ

日本企業の場合、DUNS番号の取得は、原則としてD&Bの日本総代理店である東京商工リサーチ(TSR)から行います。申請時には、以下のような会社情報を入力します。

  • 会社の正式名称(登記上の表記)
  • 本社所在地
  • 電話番号
  • 設立年月日
  • 事業内容・業種
  • 従業員規模

これらの情報を基に、企業の実在性確認が行われ、問題がなければDUNS番号が付与されます。

取得にかかる期間と費用

通常の申請であれば、数日から2週間程度で番号が付与されるケースが一般的です。

多くの場合、DUNS番号の付与自体は無料で行われますが、急ぎで取得したい場合や、付加サービスを利用する場合は有料プランが案内されることもあります。なお、Apple Developer Programなど、申請期限が決まっているサービスでDUNS番号が必要な場合は、余裕をもって早めに申請するようにしましょう。

自社のDUNS番号を調査する方法

「DUNS番号を取得した覚えがない」という企業でも、東京商工リサーチ(TSR)による企業調査などを通じて、すでに番号が自動的に付与されているケースが多々あります。二重登録を防ぐためにも、新規申請の前に必ず以下の方法で自社の登録状況を確認しましょう。

東京商工リサーチ(TSR)のサイトで検索する

日本国内の企業であれば、D&Bの日本総代理店である東京商工リサーチ(TSR)が提供する検索サービスを利用するのが最も確実です。

TSRのDUNS番号検索サイトでは、社名や所在地を入力することで、登録の有無や番号を確認できます。検索には「照会用ID」の取得(無料)が必要になる場合があります。

過去の取引・契約書類を確認する

過去に海外企業と直接取引があったり、ITサービスを導入したりしたことがある場合、すでに番号が発行され、書類に記載されている可能性があります。

  • 英文契約書:企業識別情報としてDUNS番号が明記されていることがあります。
  • 海外クラウドサービスの管理画面:Apple Developer Program、Google Play Console、Microsoft Azureなどの法人登録情報に記載がないか確認しましょう。

実務上の注意点

DUNS番号を実務で取り扱う際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

表記の統一に注意

まず重要なのが表記の統一です。社名の日本語表記と英語表記、株式会社と「Co., Ltd.」の違いなどが原因で、クラウドサービスの登録時に照合エラーが起きることがあります。申請や登録に使用する社名・住所は、DUNS番号にひも付いている情報と必ず一致させるようにしましょう。

拠点ごとのDUNS番号に注意

次に、事業所単位で番号が付与される点にも注意が必要です。DUNS番号は法人全体に1つとは限らず、本社と支店、工場などで別々の番号が付与されている場合があります。どの拠点の番号を使うべきかを把握せずに申請を進めると、後から修正が必要になるケースもあります。

登録情報変更に注意

また、会社情報に変更が生じた場合の更新も見落とされがちです。社名変更や本社移転、組織再編があった場合、D&B側の登録情報を更新していないと、実在確認が取れず手続きが止まってしまうことがあります。総務・情シス部門で情報管理の担当を明確にし、変更があった際は速やかに反映する体制を整えておくことが重要です。

このように、DUNS番号は取得して終わりではなく、正確に情報を管理し、社内で適切に情報共有することが実務を円滑に進めるための重要な鍵となります。

まとめ

いかがでしたか?
本記事では、D-U-N-S® Number(DUNS番号)について、基本の知識から、調査・取得方法、実務での活用シーンなどについて解説してきました。

DUNS番号は、単なる「申請時に求められる番号」ではなく、

  • 企業の実在性を示す証明
  • グローバル取引の共通言語
  • IT・コンプライアンス時代の基盤データ

など、いわば「グローバル時代の企業パスポート」として、今後ますます重要性が高まっていきます。

取得や調査は決して難しいものではありませんが、必要になってから対応すると、申請や契約が滞ってしまうこともあります。グローバルサービスや海外企業との関わりが増える現在、DUNS番号は一部の大企業だけでなく、多くの一般企業にとっても重要な基盤情報です。自社の番号を早めに把握・管理しておくことが、円滑な実務対応につながるでしょう。

本記事がDUNS番号への知識を深める一助となれば幸いです。

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