【計算ツール付き】離職率はどう計算する?目安と読み解き方を解説

【計算ツール付き】離職率はどう計算する?目安と読み解き方を解説

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「自社の離職率は、他社と比べて高いのか低いのか」「役員に報告する数字として、どう計算すれば正確なのか」。人事担当者であれば、一度はこうした疑問に直面したことがあるのではないでしょうか。離職率は、感覚だけで語られがちな指標ですが、計算方法や期間の取り方によって数値が変わるため、正しい理解が欠かせません。この記事では、離職率の基本的な計算方法から、1年・3年・5年といった期間別の考え方、目安として何を基準にすればよいかまでをわかりやすく解説していきます。

離職率とは

離職率とは、一定期間内に在籍していた従業員のうち、何%が退職したかを示す指標です。単に「最近辞める人が多い気がする」という感覚論ではなく、数値として可視化することで、経営層への報告や、他社・業界平均との比較、自社の過去の推移との比較がしやすくなります。役員会や経営会議で人材戦略を議論する際、離職率は採用コストや組織の安定性を測る重要な指標として扱われることが多く、正確な計算方法を押さえておくことは、人事担当者にとって欠かせない基礎知識です。

離職率の計算方法

離職率の基本的な計算式は、次のとおりです。

離職率(%)= 対象期間中の離職者数 ÷ 起算時点の在籍者数 × 100

たとえば、期初に100人が在籍しており、1年間で10人が離職した場合、離職率は10%となります。

下記は自社の在籍者数・離職者数を入力するだけで、1年・3年・5年それぞれの離職率を簡単に算出できるシミュレーターです。毎回手計算する手間をかけずに、複数の期間軸で自社の離職傾向を確認できます。まずは実際の数値を入れて、自社の現状を客観的に把握するところから始めてみましょう。

離職率計算シミュレーター

1年・3年・5年の離職率をかんたん計算

起算時点の在籍者数と、対象期間中の離職者数を入力すると、離職率を自動で算出できます。

対象期間 起算時点の在籍者数 対象期間中の離職者数 離職率
1年
3年
5年

※計算式:離職率(%)= 対象期間中の離職者数 ÷ 起算時点の在籍者数 × 100

離職率の計算方法はシンプルですが、実務上は「在籍者数をどの時点で数えるか」によって結果が変わる点に注意が必要です。具体的には、以下の点を決めておきましょう。

  • 在籍者数をどの時点で数えるか期首時点の人数を使うのか
    期中の平均在籍者数を使うのかによって、離職率の数値が変わることがあります。
  • 対象に含める従業員の範囲を決める正社員のみを対象にするのか
    契約社員、パート・アルバイトまで含めるのかによって、数値の意味合いが変わります。
  • どの退職を「離職」として扱うかを決める
    定年退職、自己都合退職、会社都合退職をすべて含めるのか、自己都合退職だけを切り出すのかによって、分析結果から読み取れる内容が異なります。
  • 計算の目的に合わせて定義をそろえる
    全社的な人員の流出状況を見たいのか、若手社員の定着状況を見たいのか、自己都合退職の傾向を把握したいのかによって、見るべき範囲は変わります。
  • 継続的に比較できるようにする
    一度決めた計算方法や対象範囲を毎回変えてしまうと、過去との比較が難しくなります。社内で共通のルールを決めておくことが重要です。

1年・3年・5年でみる離職率の考え方

単年の離職率だけでなく、入社した年次を基準に、3年後・5年後にどれだけ定着しているかを追う考え方もあります。たとえば、ある年に入社した新卒・中途社員100人のうち、3年以内に何人が離職したかを算出すれば、その年次の「3年以内離職率」が分かります。単年の離職率だけを見ていると、特定の入社年次で離職が集中しているといった傾向を見落としてしまうことがあるため、1年・3年・5年と複数の期間で定点観測することで、より実態に近い離職傾向をつかめます。

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離職率の目安の考え方

離職率について「何%なら高い・低い」と一律に判断できる絶対的な基準値はありません。業種によって平均的な水準が大きく異なり、たとえば人の入れ替わりが比較的多い業態と、長期雇用が前提となりやすい業態とでは、同じ離職率でも意味合いが変わってきます。目安を持ちたい場合は、次の2つの視点で比較するのが現実的です。

  1. 同業種・同規模の企業の平均的な水準(公的統計や業界団体の調査データ)と比較する
  2. 自社の過去数年間の離職率の推移と比較し、上昇・下降のトレンドを確認する

とくに2の「自社の過去との比較」は見落とされがちですが、他社と比較する以上に実践的な視点です。業界平均を下回っていても、自社の離職率が年々上昇しているのであれば、何らかの要因が生じている可能性があります。逆に、業界平均より高くても、特定の年に一時的な要因(大量採用の反動、特定部署の組織再編等)があった場合は、その背景まで含めて評価する必要があります。

具体的な目安の一つとして、厚生労働省が公表している新規学卒就職者の3年以内離職率のデータを紹介します。直近で3年間の追跡が完了している令和4年3月卒業者の状況は、次のとおりです。

学歴 3年以内離職率(令和4年3月卒業者)
中学卒 54.1%
高校卒 37.9%
短大等卒 44.5%
大学卒 33.8%

参照:新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者の状況)を公表します | 厚生労働省

これは、あくまで新卒者に限定した3年以内の離職率であり、中途採用者を含めた自社全体の離職率と単純に比較できるものではない点には注意が必要です。とはいえ、「新卒入社者のうち、一定割合が3年以内に離職するのは珍しいことではない」という全体感をつかむうえでは、参考になる公的データです。自社の新卒者の定着状況を評価する際は、こうした全国的な水準も一つの目安として押さえておくとよいでしょう。

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離職率の数字をどう読み解くか

離職率を計算しただけで終わらせず、その数字が何を意味しているのかを読み解くことが、本来の目的です。離職率の数字から見える示唆としては、たとえば次のようなものがあります。

  • 特定の部署だけ離職率が高い場合
    全社平均では大きな問題がないように見えても、部署別に見ると一部の部署だけ離職率が高いことがあります。この場合、業務量の偏り、上司との関係、評価への不満、職場内のコミュニケーション不足など、その部署固有のマネジメント課題が隠れている可能性があります。
  • 入社1年未満の離職が多い場合
    早期離職が多い場合は、採用時に伝えていた仕事内容や働き方と、入社後の実態にギャップがある可能性があります。また、入社後のフォローや教育体制が十分でなく、新入社員が職場に定着する前に不安を抱えて離職しているケースも考えられます。
  • 若手・中堅など特定の層の離職率が高い場合
    年齢層や入社年次で分けて見ると、若手社員や中堅社員など、特定の層に離職が集中していることがあります。若手の離職が多い場合は育成・フォロー体制、中堅社員の離職が多い場合はキャリアパスや評価制度、処遇への不満が課題になっている可能性があります。

全体の離職率だけでなく、入社年次別、部署別、職種別といった切り口で数値を分解してみると、「特定の部署だけ離職率が突出して高い」「入社1年未満の離職が多い」といった、より具体的な傾向が見えてくることがあります。全体の数字だけを見て「うちは離職率が高い(低い)」と結論づけてしまうと、本当に手を打つべき箇所を見誤ってしまうこともあるため、数字を分解して読み解く視点を持つことが重要です。

まとめ

この記事では、離職率の基本的な計算方法、1年・3年・5年といった期間別の考え方、目安として何を基準にすればよいかについて解説しました。

ただし、離職率の数字を正確に算出できても、その背景にある要因の分析や、実際の改善策の立案までを自社だけで行うのは容易ではありません。部署別・年次別の傾向分析や、離職の背景にある評価制度・賃金制度・職場環境といった要因の切り分けには、専門的な知見が必要になる場面も多くあります。

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