5月病で新入社員が退職する前に!人事担当者が今すぐ実践すべき対策7選

5月病で新入社員が退職する前に!人事担当者が今すぐ実践すべき対策7選

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せっかく採用・育成した新入社員が、ゴールデンウィーク明けに突然「退職したい」と言い出す——そんな経験をした人事担当者の方は少なくないのではないでしょうか。その背景にあるのが「5月病」です。5月病は正式な病名ではありませんが、新入社員が新環境への適応に失敗し、心身に不調をきたす状態を指します。放置すれば休職・退職へと進展するリスクが高く、企業にとっても大きな損失となります。

本記事では、5月病が新入社員の退職につながるメカニズムから、人事担当者が今すぐ取り組める具体的な対策まで、最新データをもとに体系的に解説します。GW前に手を打つことが、定着率向上の最大のカギです。

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目次

5月病とは何か?新入社員に起こりやすい理由

医学的な位置づけと症状

5月病とは、新年度がスタートしてから約1〜2か月後の5月頃に、心身の不調として現れる状態の通称です。医学的には「適応障害」や「抑うつ状態」に近いとされており、厚生労働省の「こころの耳」でもその関連性が指摘されています。正式な病名ではないものの、現場で広く使われている言葉です。

主な症状は以下のとおりです。

  • 強い倦怠感・疲労感
  • 出社への強い抵抗感・無気力
  • 集中力・モチベーションの著しい低下
  • 睡眠障害(不眠・過眠)
  • 頭痛・めまいなどの身体症状
  • イライラ感の増加

これらの症状が重なることで、仕事のパフォーマンスが急激に低下し、最悪の場合は退職という決断につながります。

なぜ5月に起こりやすいのか

産業医の観点から言うと、入社直後の4月は「ハネムーン期」と呼ばれ、期待と緊張の中で気力が保たれています。しかしゴールデンウィークで一度気が抜けたところに、理想と現実のギャップが一気に噴出するのが5月です。入社前の企業説明会では会社の魅力的な面が強調されがちですが、実際の業務は地味で泥臭い作業も多く、そのギャップに戸惑う新入社員は少なくありません。

また、GW明けからは研修期間を終えて本格的な実務が始まる企業も多く、責任の重さを実感して精神的な負担が増すタイミングでもあります。真面目で責任感の強い人ほど、完璧にこなそうとして自分を追い詰める傾向があり、5月病になりやすいことも覚えておくべき点です。

人事が知っておくべき5月病と退職の最新データ

5月病が単なる「気持ちの問題」でないことは、各種調査データからも明らかです。

調査項目データ
大卒新入社員の3年以内離職率約30%(厚生労働省)
退職代行サービスの新卒利用が最多の月5月(298名:2024年度)
入社4か月以内の退職代行利用割合全体の約50%
20代で5月病による休職経験者39.5%(全年代31.4%)
5月病回復に1か月以上かかった割合約20%

退職代行サービスの2024年度データによれば、新卒社員の退職代行利用は5月が最多で298名、4月の256名、6月の251名と続いており、入社から4か月以内に全体の約半数が集中しています。その退職理由の約半数が「入社前の労働条件と実態のギャップ」であり、5月病と相互に作用しながら早期離職を後押ししているのです。

また、ヘルスケアテクノロジーズ株式会社の調査では、20代の5月病経験者のうち休職した経験がある人は39.5%にのぼり、全年代平均の31.4%を大きく上回っています。新入社員を多く抱える企業にとって、この数字は見過ごせない現実です。

参考:PRTIMES「退職代行モームリ2024年度新卒1,814名分の最新退職データを公開」
参考:PRTIMES「【全国1,200人の会社員に一斉調査】会社員の6割が深刻と考える「五月病」」

5月病が引き起こす3つのリスク

1. 人材・採用コストの損失

採用から入社、研修まで投資してきた人材が入社数か月で退職することは、金銭的なコスト以上に組織へのダメージが大きいものです。採用広告費・面接工数・研修費用がすべて無駄になるだけでなく、欠員補充のための再採用コストも発生します。

2. 職場全体の士気低下

新入社員の退職は、周囲の同期や先輩社員にも心理的な影響を与えます。「自分も限界なのかもしれない」という連鎖的な不安が広がると、職場全体のエンゲージメントが低下するリスクがあります。

3. 企業ブランドへの影響

SNSが普及した現代では、退職した社員が職場環境についての情報を発信することも珍しくありません。早期離職が続く企業は、採用市場での評価にも影響が出る恐れがあります。

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人事担当者が実践すべき5月病・退職防止策7選

① GW前に1on1面談を実施する

5月病対策は「GW明けから動く」では遅すぎます。GW前の4月中に上司や人事担当者が1on1面談を実施し、新入社員の不安や悩みを事前に把握することが重要です。面談では「業務の難しさ」「人間関係の悩み」「職場への期待と現実のギャップ」について、サポートする姿勢で丁寧にヒアリングしましょう。

気軽に話せる場があるだけで、新入社員の精神的な負担は大きく軽減されます。厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策の推進」でも、1on1面談の重要性は強調されており、月1回以上の定期実施が推奨されます。

② メンター制度を導入・活性化する

直属の上司には言いにくい悩みも、年齢の近い先輩社員(メンター)には相談しやすいというケースは非常に多くあります。メンター制度を導入することで、新入社員の孤立感を防ぎ、組織への帰属意識を高める効果が期待できます。

メンターを選ぶ際は、単に「できる先輩」ではなく「話しやすい・親身になれる」人材を選定することがポイントです。また、メンター自身が負担を感じないよう、人事からのフォロー体制も合わせて整備しましょう。

③ 企業内研修でメンタルヘルスリテラシーを高める

5月病・早期退職を防ぐうえで、企業内研修の充実は最も効果的な施策のひとつです。研修には2つのアプローチがあります。

新入社員向け研修では、ストレスとの向き合い方・相談の仕方・セルフケアの方法など、メンタルヘルスに関する基礎知識を入社直後に教育します。「5月病になることは珍しくない」「困ったときは遠慮なく相談してほしい」というメッセージを明確に伝えることで、早期に助けを求めやすい土壌を作ることができます。

管理職・先輩社員向け研修では、部下の変化に気づく力(ラインケア)を高めることが目的です。表情の変化、遅刻・欠勤の増加、コミュニケーションの減少といった5月病の初期サインを見逃さないよう、具体的なケーススタディを交えた研修が効果的です。

研修は単発で終わらせず、定期的に実施することで、メンタルヘルスへの関心が組織全体に根づいていきます。

④ 段階的な業務設計で「小さな成功体験」を積ませる

GW明けからいきなり難易度の高い業務を任せることは、新入社員の自信を急激に喪失させるリスクがあります。入社後3か月の業務計画を丁寧に設計し、「何を学び、何ができるようになるのか」の道筋を明確にしたうえで、段階的に難易度を上げていくことが大切です。

小さな成功体験を積み重ねることで自己効力感(「自分はやれる」という感覚)が育まれ、5月病への耐性も高まります。

⑤ ストレスチェックとパルスサーベイを活用する

従業員のコンディションを定期的に「見える化」することも、早期対応には欠かせません。法定のストレスチェック(50人以上の事業所で年1回義務)に加え、月次や週次で短い設問に答えるパルスサーベイを導入することで、リアルタイムに新入社員の状態を把握できます。

重要なのは、結果を「見るだけ」で終わらせないことです。スコアが低い社員に対しては、人事や上司が速やかに面談を設定するなど、具体的なアクションにつなげる運用フローを整備しましょう。

⑥ ワークライフバランスの環境を整備する

有給休暇を取得しやすい雰囲気づくり、残業削減への取り組み、休憩スペースの整備など、物理的な環境の改善も5月病対策に直結します。「頑張り続けなければならない」という空気が職場を支配していると、新入社員は疲弊しても声を上げにくくなります。

福利厚生の充実(健康診断の充実、EAP=従業員支援プログラムの導入など)も、社員の心身の健康を守るうえで有効な手段です。

⑦ 積極的に声をかける文化をつくる

「何かあれば相談して」という受け身の姿勢だけでは不十分です。上司や先輩が積極的に声をかけ、褒め、小さな変化にも気づける関係性を日常的に築くことが、5月病の早期発見・早期対応につながります。

コミュニケーションが活発な職場では、新入社員が変化の初期段階で発見されやすく、深刻化する前に手を打てる確率が高まります。

5月病のサインを見逃さない!チェックリスト

人事担当者・管理職が日常的に観察すべき早期サインをまとめました。以下の項目に複数当てはまる場合は、早めの声かけ・面談を実施してください。

カテゴリチェック項目
勤怠の変化遅刻・早退・欠勤が増えた
勤怠の変化有給取得の頻度が急に上がった
行動の変化会話が減った・目を合わせなくなった
行動の変化ランチを一人で食べるようになった
業務の変化ミスが増えた・仕事が遅くなった
業務の変化締め切りを守れなくなった
外見の変化表情が暗い・覇気がない
外見の変化服装や身だしなみが乱れてきた

一つひとつは小さなサインでも、複数重なれば要注意のシグナルです。「気のせいかな」と思っても、まずは声をかけてみることが大切です。

企業内研修が5月病・早期退職防止の根本解決策になる理由

個別対応も重要ですが、5月病と早期退職の問題を根本から解決するには、組織文化そのものを変える視点が必要です。そのカギを握るのが、企業内研修の体系的な実施です。

研修を通じて、管理職が「部下の変化に気づいて対応できる」スキルを習得し、新入社員が「困ったときに相談できる」マインドセットを持つことができれば、5月病が発生しても早期に対処できる組織になります。また、メンタルヘルスに関する共通言語を組織内に浸透させることで、「助けを求めることは恥ずかしくない」という心理的安全性が高まります。

研修の効果を最大化するポイントは次の3点です。

  • 入社前(内定者研修)〜入社後3か月の連続した研修設計
  • 新入社員だけでなく受け入れ側(管理職・先輩)も対象に含める
  • ロールプレイや事例演習など、実践的な内容を取り入れる

研修を「形式的なイベント」で終わらせず、日常の現場行動につながる設計にすることが、定着率向上への近道です。

まとめ:5月病対策は「GW前」が勝負。人事の先手が新入社員を救う

5月病による新入社員の退職は、決して「個人の問題」ではありません。組織としての受け入れ体制や研修の質、コミュニケーションの文化が問われる、人事・組織全体の課題です。

本記事で紹介した対策をあらためて整理すると、次のとおりです。

  • GW前の1on1面談でリスクを早期把握
  • メンター制度で孤立感を防ぐ
  • 企業内研修でメンタルヘルスリテラシーを組織全体に浸透させる
  • 段階的な業務設計で成功体験を積ませる
  • パルスサーベイで状態を見える化し、即座に行動に移す
  • ワークライフバランスを支える環境整備
  • 積極的な声かけ文化を醸成する

大卒新入社員の3年以内離職率が約30%に達する今、5月病対策に早く取り組んだ企業ほど、採用コストの回収・組織力の強化・企業ブランドの向上という好循環を生み出せます。

まずは今週、自社の新入社員に一声かけることから始めてみませんか。 GW前の小さなアクションが、退職を防ぐ大きな一歩になります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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